すぐ終わると思っていたのに
彗星のごとく現れ、2010年のマンガ大賞をかっさらったテルマエ・ロマエ。アイデアだけの一発屋でも、面白ければ受賞させるマンガ大賞の姿勢に「マンガ大賞はガチだ」と賞賛の声を送った人は少なくなかっただろう。一方で、大半の人がすぐ終わると思っていたはず。ところがどっこい、もう3巻までこぎ着けた上にドラマ化までされ、まだ続きそうな勢いである。2巻で既にネタ的な苦しさが見えていたことから、水増しして無理矢理延命していることを疑う人も多いはず。実際のところはどうだろうか。
ストーリー成分が増加
3巻の特徴を一言で言えば、ストーリー成分が増えた、ということになる。これまでは、基本的に一話完結で、一話につきひとつの風呂技術を持って帰ってくるという、お約束型の展開だった。3巻では三話完結が2つと一話完結が1つ収録されている。話として広がりが出ているが、一話完結の頃の小気味よいコミカルな展開ではなくなっているし、一巻あたりの持ち帰る風呂技術数が減少したのは明らかだ。あからさまな水増しではないものの、当初のスタイルから変わっているのは間違いなく賛否が分かれるところだ。
個人的には「有り」だが・・・
と、手厳しいことを書いたが、個人的には3巻も面白かった。三話をかけて描いている2つのエピソードはどちらも三話をかけないと表現できないな、と思わせる内容で納得感がある。ルシウスに温泉街を散歩させてラーメンを食べさせたり、現代の技師と一緒になって風呂を設計させるプロットを考えるのは苦労したのではないかと思うが、嘘くさくなく上手く構成している(ギャグマンガなんで嘘なんですけどね)。というわけで個人的には3巻のスタイルも「有り」だと思った。
しかしながら、もうさすがに風呂ネタは厳しいのではないだろうか。ネタ切れのために、ミソである風呂技術の持ち帰りが無くなったりしたら、スタイルどころの話ではない。そうなる前に上手くまとめて、ドラマと一緒に4巻くらいで終わった方が良いのでは?と個人的には思っている。
おまけ
異性のキャラを描くのが苦手な漫画家の先生は多いが、ヤマザキマリ先生は女性なのに、意外と女性キャラの書き込みが適当で面白かったので、一例を。
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