2021/05/16

山崎実業の「tower」マグネットタブレットホルダーで冷蔵庫にiPadをマウントする

地味に山崎実業が好きだ。野暮ったい会社名だが手頃な価格で確かな品質の、全然野暮ったくないインテリアを販売しているメーカーだ。我が家では既にDysonの掃除機向けスタンドを使っていて、これにはとても満足している。

今回またもや山崎実業にお世話になることにした。iPad(Pro 10.5インチ)に表示したレシピを見ながら料理したいが置き場所がないので、以前友人がやっていた冷蔵庫に貼り付けるという方法を試すことにしたのだ。チョイスしたのはtowerという製品ラインのマグネットホルダー。公式サイトによるとtowerはシンプル方向に振ったモダンでスタイリッシュな製品ラインとのこと。

友人はiPadをマグネット付きケースに入れ、ケースごと冷蔵庫に貼り付けていたが、自分は純正の風呂蓋カバーだけで使いたいのでiPadとは分離されたマグネットホルダーにした。

パッケージ

L字のホルダー部分2つと滑り止めシールのみの構成なのでこぢんまりとしたパッケージ。

ホルダー本体

開封すると中身はこんな感じ。金属製なので質感良く、裏側が全面マグネットになっていて強力に貼り付いてくれる。耐荷重は1kg。

裏面のマグネット

2つのホルダーを下に並べてポケット状にしたり、対角に配置して挟んだりしてタブレットやスマホを冷蔵庫などに貼り付けられるわけである。というわけで、早速貼り付けてみた。

iPad on 冷蔵庫

冷蔵庫の開け閉めでiPadが飛び出ちゃったりしないかと心配していたが、そこは純正の風呂蓋カバーのマグネットでも冷蔵庫に貼り付いていて問題なし。カバーだけで貼り付くのはツラいけどね。
カバーでも貼り付いている

そんなわけで山崎実業のタブレットホルダー2週間ほど使っているけど、目立った不満なくなかなか快適。2つに分かれているのでiPhoneでも使えるし、iPadのサイズが変わっても使えるのは良い点。引き続き運用していきたいと思う。

なお、ホルダーは対角に配置しても良いが、iPadを入れる時にホルダーを動かす必要が出てきたりして面倒くさいんじゃないかなと思う。その辺は好みで。
ホルダーを対角に配置した場合

2021/05/05

中銀デジタル通貨起ち上げの一部始終とブロックチェーンの未来 / 宮沢和正「ソラミツ 世界初の中銀デジタル通貨『バコン』を実現したスタートアップ」


世界初の中央銀行デジタル通貨を発行した国はどこかご存知だろうか?答えはカンボジア。名だたる先進国ではなく、東南アジアの小国なのである。意外かもしれないが、そこには小国であるがゆえのフットワークの軽さと、米ドル、デジタル人民元の間で通貨主権確立のために自国通貨の存在感を高める必要性という十分な理由があった。

デジタル通貨の名は「バコン」。本書のタイトルである「ソラミツ」はバコンにブロックチェーン技術を提供している日本初スタートアップの名前である。著者の宮沢氏はソラミツの代表取締役社長。かつてSONYでEdyの立ち上げに関わり、楽天Edyを経てソラミツに入社した経歴を持つ。

本書は、宮沢氏がソラミツ入社前、事前勉強として出社していた時期にカンボジアの国立銀行を名乗るTelegramのメッセージを受け取ったところから始まり、現地ヒアリング、提案から入札勝利、詳細な要件定義を経てシステムのパイロット運用(2019年7月18日開始)に至る一部始終を当事者自ら記したものである。

途中、ソラミツ自体の成り立ちやバコンシステムの概要も説明し、最後に日本における中銀デジタル通貨の現在位置、同社ブロックチェーン技術の国内導入事例として地域通貨やイベント通貨の紹介もおこなっている。

ユーザー目線で見てデジタル通貨と電子マネーの違いは分かりづらいが、ソラミツの提供するデジタル通貨とSUICAを始めとした電子マネーの違いは大雑把に言って以下の3点。
  • トークン型
  • 転々流通可能
  • ブロックチェーンによる分散管理

トークン型

SUICA等でカードの中に格納されているのは取引データだが、現金同等の価値を持ったデータそのもの(トークン)を格納する。取引データをまとめて翌月締めで銀行振込、というようなことはなく受け取ったらすぐ使える。

転々流通可能

トークンを移転するため人から人へ、企業から企業へ譲渡を繰り返すことができる。SUICAからSUICAにはチャージ額を移動できない。

ブロックチェーンによる分散管理

中央のサーバで全情報を管理しているわけではなく、それぞれの端末でトークンを格納する(その改竄防止にブロックチェーンを使う)形であるため管理コストが安い。

事業者目線で見た場合、トークン型になることでキャッシュフローが楽になるというのはかなり魅力的なポイントだろう。この実装自体には様々な方法が考えられるが、ブロックチェーンを使うことにより低コストで実現できる、というのがソラミツ社としては最も重要なポイントだろう。

もちろん、ブロックチェーン技術の会社だし、自社に都合の良いことを書いて当然なのだが、同時にブロックチェーンにおける懸念点(例えばスケーラビリティの問題。ビットコインはブロックチェーンの合意形成に時間がかかる。)やその解決案も述べており、フェアな書き方をしていると感じた。何よりEdyの起ち上げに関わった人物が、Edyの反省も踏まえながら書いているという点は重要だろう。

本書を読むまでブロックチェーン技術が暗号通貨以外でこれほど実用化されているとは知らなかった。しかし、一意性を確保したいデータを低コストで管理する技術だと考えれば、ブロックチェーンの応用先はまだ広がりそうだと感じる。

また、ソラミツ社の創業者武宮氏は、元々ウクライナ系アメリカ人だが日本文化に魅せられて日本に帰化したという変わった経歴の持ち主。それゆえかどうかは分からないが、創業時からグローバルマーケットを目指して活動しており、既にロシアにも開発拠点を持つ。日本製ソフトウェア技術の弱体化が嘆かれて久しいが、同社なら世界で活躍してくれるのではないかと期待が持てる。ブロックチェーンの広がりに乗ってソラミツの拡大にも期待したいところである。


2021/05/02

テクニカル分析基礎の基礎を体系的に学べる / 和島英樹監修「株式売買で勝つための移動平均線の読み方」


株式投資をするにあたって「ファンダメンタルズで売買対象を決め、テクニカルで売買タイミングを決める」という人は多いのではないだろうか。

自分もそんな人間のひとりで、どちらかというとファンダメンタルズ重視で何となくテクニカルも使う形でこれまでやってきた。しかし、何となくはあくまで何となくでしかなく、結局、気分で決めるのと大差ないのでは?と感じることもしばしば。

そんな時、耳に入ってきたのが本書。「耳に入ってきた」というのは、監修の和島英樹氏の出演するPodcastを聴いていた際、番組内プレゼントも兼ねて紹介されたからだ。テーマを狭く絞っているところが面白そうだと思って買ってみたら思いほか良かった。

内容はタイトルのごとく移動平均線に絞られたもの。移動平均線とは何で、どういうことが分かり、実際にはどう使うのか、初心者でも分かるよう順を追って説明してあり体系的に移動平均線について学ぶことができる(最後にちょっとだけRSIやボリンジャーバンドもあり)。

これにより、それまで何となくだったチャートの分析が、ある程度筋道立てておこなえるようになった。もちろんそれが当たるとは限らないのだが、考え方自体を再現可能になったとでも言えばよいだろうか。はっきりとした考え方の軸ができたのだ。

テクニカル分析は科学的とは言い難い面もあり、半分くらいオカルトというか、市場参加者に対する心理学のようなところがある。だから「この場合は必ずこうなる」ということは無い。しかし、それまで50:50でエイヤと決めていたものが、セオリー通りいけばまだ上がりそうとか、ここで上げ止まる確率が高い、になることで失敗の確率を1割でも2割でも下げられれば御の字なのだ、と個人的には理解している。

失敗の確率を下げることはある意味コスト削減であり、長期で見ればパフォーマンスの向上に結びつく。(投資ではなくギャンブルの話で恐縮だが)AIを使って競馬で儲けるガチ勢は、全通りに近い馬券を買いつつその中から当たる確率が低いと思われるものを除いておくことで利益を出しているという。理論的には、除く馬券の割合が控除率を上回っていて、買った馬券の中に常に当たりが含まれていれば、資金はレースごとに少しずつ増えていくはず。

つまり、1発必中で当てに行くのではなく、ハズレ馬券のコストを削減することで利益を生んでいるのである。株式投資に関しても、失敗の確率を下げたり失敗しても傷を浅くするというコスト削減でパフォーマンスを上げることは可能だろう。そしてその手助けになるのがテクニカル分析なのだ。

移動平均線はシンプルで有用性も高いため、これを基本とし、その上で自分なりに拡張していくのがオーソドックスな方法だと思う。本書はその基礎を作るための第一歩として大変良い1冊である。