2011/05/26

「アイヌの涙」の代わりにハッカ油を使ってみた


恐怖の入浴剤!?アイヌの涙
その昔、探偵ナイトスクープで話題になった「アイヌの涙」。キャップに2、3杯入れるだけで、凍えるような寒さになるという恐怖の入浴剤であった。番組中では実際に入手し、依頼者のお宅で探偵共々入浴し、その寒さに震えるシーンがお茶の間に大きな笑いをもたらしていた。オチは「アイヌの涙の正体はハッカ油で、説明書には2、3滴入れると書いてあった。キャップ2、3杯は入れすぎ」というものだった。詳しく知りたい方は、DVDが出ているのでそちらを参照して頂きたい。

本家は高いので、ノーブランドなハッカ油を
ずっと記憶に残っていたアイヌの涙。ふと、Amazonを検索するとハッカ油が売られている。しかも割とお手頃価格。実は、本家のアイヌの涙もまだ売られていて、さらにAmazonで取り扱いがあるのだが、こちらは高い(ただのハッカ油は20ml、680円だがアイヌの涙は10ml、2480円)。どちらもハッカ油100%となっているし、この値段差ほどの質の差はあるまいと判断して、ただのハッカ油を購入。

1ml中、ハッカ油 1ml含有

お湯の中なのに涼しいぞ
さっそく、風呂に入れてみる。注ぎ口はスポイト状にはなっていないので、2、3滴を注ぐのは難しい。適当にチョロチョロっと入れた。油なのでお湯の上に油滴が浮いているのが分かる。そしてすごいハッカの匂い。入浴してみるが、あまり寒くならない。あれ?と思って湯船からいったん出た瞬間、恐怖の入浴剤はその本領を発揮した。「これはヤバイ」「寒い」。すぐさまお湯に浸かり直した。

そう、油なので最初は表面に浮いていて、身体についていなかったのだ。それがお湯から出ようとしたときに身体につき、本領を発揮した。一度身体に付いてしまうと(皮膚に染みこむのかな?)お湯に入ってもその効果は続く。明らかに暖かいお湯の中にいるのに皮膚の表面は寒い。スースーする。すごく不思議な感覚。探偵達が震えていたのはこの感覚だったのかと、ある種の達成感を覚えてしまった。

こんな感じで水面に浮いてます。

試しで買った程度のモノだったが、十分に期待に応える効果を発揮してくれた。本家には申し訳ないが、正直ノーブランドのハッカ油で十分だ。これでも効き過ぎるくらい。風呂からあがって30分後には「寒い寒いとお湯に浸かりすぎて、逆のぼせたりしないのだろうか?」という若干の不安を抱きながらも、夏に向けて追加購入する気満々の自分がいた。


ハッカ油P 20ml
by カエレバ

アイヌの涙
by カエレバ

2011/05/25

堀江貴文 「ホリエモンの宇宙論」



字が小さくて中身があるぞ
ご存じホリエモンが、宇宙開発について自身の見解を述べた本。読み始めて最初に思ったのは「(ホリエモンの本のわりに)字が小さいぞ」「(ホリエモンの本のわりに)中身が濃いぞ」ということ。本書以外にも、ホリエモンの本は何冊か読んできた。「稼げる 超ソーシャルフィルタリング」や「拝金」、「君がオヤジになる前に」はいずれも面白かったが、共通して感じたのは「字がデカい」「ページの割に中身がない」ということ。そのため、ガブ飲みミルクコーヒーを飲むようにスラスラ読んで、さっさと処分していた。ところが本書は、これまでの本とは違い、分量的にも内容的にも読み応えがある。そういえばどことなく、装丁も他の本より力が入っている気がするからか、未だに処分されず手元にある。

政府は宇宙科学を、枯れた技術は民間で
ホリエモンの主張は簡単に言うと下記のようなもの。

  • 政府の予算で宇宙開発を行うと、予算を得るために常に新しいものを作らねばならなくなり、オーバースペックなものができる
  • 軌道に人工衛星を載せるだけなら枯れた技術で十分
  • 政府がやるべきは「はやぶさ」のような民間ではできない宇宙科学のプロジェクト
  • 単純な打ち上げは民間にまかせ、ビジネスとして回すための環境作りをすべき

これらの主張のため、まずは冷戦時からの宇宙開発の歴史と、現在の世界の宇宙開発のトレンドを解説している。

冷戦時、敵国よりも優位に立つ手段であった宇宙開発は、やがてそれ自体が目的となり、公共事業に堕して停滞してしまった。世界初の有人飛行であったボストーク1号から8年3ヶ月で、人類は月面に立つという凄まじい進歩を遂げた。その頃に比べると、現在の開発スピードは極めて遅くなっている、という指摘は鋭い。

こうした状況を改善するため、アメリカでは既にNASAの運営する世紀の失敗作、スペースシャトルの退役が決まっており、国際宇宙ステーションへの物資輸送は民間に任せることとなっている。その役を担うのが、スペースX社の運用するファルコン9である。このスペースX社は宇宙開発のベンチャー企業であるが、NASAはかなり早い段階でファルコン9の前身であるファルコン1を利用していた。これはある種のベンチャー支援策であり、国の衛星を積極的に民間に任せて産業の育成を図っている。日本のような予算丸抱えではなく、こうしたやる気を失わない形での支援こそ、政府のやるべきこと、とのことである。

ホリエモン達「なつのロケット団」が狙うのはファルコン9よりも遥か下の市場。ホームセンターの材料で作れ、1000万円で軌道まで打ち上げられるものだ。エレクトロニクスの進歩により100g程度あれば立派な衛星が作れるようになり、小型のロケットで用が足りるようになったのだ。重量あたりの単価は高くとも、一回あたりの単価は安い、バイク便のようなロケットを目指しているとのことである。

宇宙開発の入門書に
あまり期待せずに買った本書だが、望外に面白かった。教養レベルの宇宙開発の歴史が一通り書かれているし、現在の宇宙開発の最新情報も書かれているので、宇宙開発の概要を把握するための入門書としても面白いのではないだろうか。しかし、ガイナックスつながりで「なつのロケット団」が結成され、ロケット作りが始まったとは驚いた。開始当時の試行錯誤も収録されているが、当初はまるっきり素人の集まりである。かつてDICON FILMが作っていた特撮やアニメのように、高品質で手作り感のあるロケットが完成するのであろうか(笑)。それなら楽しみだ。

堀江 貴文 講談社 2011-04-19
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by ヨメレバ

2011/05/19

梶村尚史 「『朝がつらい』がなくなる本 ぐっすり眠る すっきり起きる習慣術」



睡眠の質を改善したい
私は朝が苦手だ。これはもうずっと前からで、中学校の時はほぼ毎日朝礼が終わる時間に登校していた。さすがに社会人になるとルールを守らなくてはならないが、遅く起きる点は変わることなく、今でもコアタイムのギリギリに出社している。

ところが、このところ仕事量が増えてこの体制でも朝がツラくなってきた。考えなければならないことが多く、頭がずっと腫れぼったい感じで、どうにも睡眠が浅いような感覚なのである。というわけで、なんとか睡眠の質を改善しようと、寝具の設備投資(枕、マットレス)を行うと同時に手に取ったのが本書である。

オーソドックスに王道を行く良書
内容は極めてオーソドックスで質実剛健な印象。「これさえやれば、たちどころに朝が強くなる」といった銀の弾丸はなく、体の仕組みを根拠に、睡眠を改善するための方法を様々な観点から提案している。

朝をつらく無くするために行うべきことは大きく2つある。すなわち「寝る前にすること」と「起きた後にすること」と言えるだろう。寝る前にするのはぐっすり眠るための準備だ。ぐっすり眠ることで寝起きも爽やかになる。そのために、照明を暗くする、飲食しないなどいくつかの習慣を推奨している。意外にだったのは、深部体温を下げることである。お風呂に入ると眠くなるイメージがあったが、体の芯まで温めてはいけないのだ。起きた後には、これから体を動かすための準備が必要だ。ここでは、朝日で体内時計のスイッチを入れることや、起きたら速やかに血糖値、体温を上げることを推奨している。

その他にも、不眠のタイプを自己診断できるチェックシートや、タイプ別に行うべき改善方法も記してある。まず本書を入り口に睡眠の改善に着手し、自分なりに工夫してみるのも良いだろう。

読書灯を買い、枕元にバナナを置いた
本書を読んで、とりあえず、寝る前の読書に専用の読書灯を使うようにし、起きてすぐバナナを食べるようにしてみた。我が家の照明のスイッチの関係で、これまでは部屋の蛍光灯の明かりで寝る前に本を読んでいた。しかし、これでは明るすぎてメラトニンが分泌されづらいため、部屋の蛍光灯は早々に消灯し、読書灯で本を読むことにした。ちょうどAmazonで、本にクリップで留めるタイプのものを発見したので、さっそく導入。これは他の用途でも使えそう。

Mighty Bright Black Xtraflex 2 LED Book LightMighty Bright Black Xtraflex 2 LED Book Light
Mightly Bright

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あとは、バナナ。これは起きてすぐ糖分を補給することで血糖値を上げ、体のエンジンを起動することが目的。別にバナナである必要はなく、糖分であればよい。他のモノも色々試して体に合うモノを探してみようかと思っている。

これらの試みによる効果の程は、今のところ・・・よく分からない(笑)。

梶村 尚史 三笠書房 2007-05-21
売り上げランキング : 708

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2011/05/12

ウィリアム・ソウルゼンバーグ/野中香方子 訳 「捕食者なき世界」

捕食者なき世界

シカ害は何故起きる?
私の父親は一昨年、ワナ猟の免許を取った。実家の裏にあるタケノコ山に猪や鹿が出没するようになり、タケノコを掘り返されたり、木の芽を食べられるようになったため、どうせならこれらの動物も「収穫」してしまえ、と思ったからだ。素人仕事ながら、一昨年は鹿一頭を「収穫」している。

このような話は枚挙にいとまがなく、鹿の駆除のために自治体職員や農協職員が猟の免許を取る例が多い。シカ害が起きるのは、鹿の住む場所が減ったことと、鹿が増えすぎたことが大きな要因である。日本で鹿が増えているのはここ20年らしく、その原因はまだはっきりとは分かっていない。しかし、同様の事例は世界各地で存在し、北米では「頂点捕食者(トップ・プレデター)」たるオオカミが、人間によって殺されたことが原因ではないか、という説が有力になっている。

本書は「頂点捕食者」の重要性に着目し、様々な観察を経て、被食者に養われていると思われていた捕食者が、実は生態系の維持に欠かせない存在であるとの結論に達した科学者たちを追ったノンフィクションである。内容は非常に濃く、最新の生物多様性、生態系の保全に関する研究を知るには、見逃せない一冊だろう。ちなみに、原題は「Where the wild things were」であり、訳すと「かいじゅうたちのいたところ」になる。つまり「かいじゅうたちのいるところ」のパロディなのである。

頂点捕食者が生態系を守る
我々は小さい頃から食物連鎖や生態系について、いくらかの教育を受けており、自然は多くの結びつきの上に成り立っていることを知っている。しかし、多くのイメージは、被食者が捕食者を支えている、というものではないだろうか?しかし、本書で出てくるのはその逆、捕食者が被食者のバランスを保つ機能を担っているという説である。

ある海岸で、特定の区画だけ「頂点捕食者」であるヒトデを除去し、推移を観察したたところ、イガイの異常増殖が発生し他の生き物を食い尽くした。同様に、ラッコが減った海ではウニが異常発生して海藻類食い尽くし、ダム湖によってピューマから隔離された人工島ではホエザルの過密による地獄絵図が繰り広げられた。いずれもピラミッドの頂点に位置する「キーストーン」である「頂点捕食者」がいなくなったために発生した現象だ。

本書に登場する研究者たちは、北米のシカの増加も同じだと考えている。人間たちが家畜の飼育に都合の悪いオオカミを殺し続けた結果、シカを捕食する者がいなくなった。増えたシカは多くの植物を食いまくり、昆虫の減少を招く。昆虫は花粉の媒介者であるため、昆虫の減少は植物の減少を意味する。オオカミの駆除は長い時間をかけて、森に死をもたらすのである。

このような、人為的な捕食者の駆除による生態系の破壊を防ぐため、研究者たちは捕食者を復活させることを提案している。実際にイエローストーン国立公園では、カナダからオオカミを取り寄せ、野に放っている。極端な提案では、マンモスがいた頃まで戻すために、ゾウを北米に運んでくる案まであるようだ。もっとも、関係各所の抵抗は少なくない。イエローストーンの例では、オオカミによって獲物が減ってしまうとハンティングを楽しめなくなるハンターたちから、多くの脅迫が寄せられたとのことである。

ヒトに関する考察も面白い
ヒトによる生態系の破壊は最近始まったのではない。サルがヒトに進化し、捕食者になった1万5000年前から起こっている。その頃からヒトは狩りすぎていたのだが、その頃の狩りの方法は驚くべきものだ。集団で獲物を追いかけ続け、獲物が疲れたところをしとめるという方法を採っていたと考えられているのだ。野生動物を相手に走り勝って食べ物にありついていたのである。アフリカ出身の陸上選手のパフォーマンスを見ていると、さもありなん、ではあるが現代人の感覚では驚くほかない。

この頃のヒトはまだ、狩られる存在でもあった。そのため、鋭い観察力や敵を察知する能力、速く走る能力を持っていたが、現代の人間は頂点のまだ上にいる捕食者となり、そのような能力は不要になった。そのため「でっぷり太ったカウチポテト」が大勢誕生するに至っている。頂点捕食者の消滅は、生態系だけでなく人間のバランスにも深刻な影響を及ぼしていると言えよう(笑)。近年「肉食系」という概念が流行しているのは、ヒトの上の捕食者という存在が、ヒトにとっても必要なのだと無意識に気づいている人がいるからかもしれない(笑)。

ウィリアム ソウルゼンバーグ 文藝春秋 2010-09
売り上げランキング : 93987
by ヨメレバ

2011/05/01

大前研一 「お金の流れが変わった! 新興国が動かす世界経済の新ルール」

お金の流れが変わった! (PHP新書)


新興国の時代が来る
 かつて原子力プラントの設計に関わった経験を踏まえた、福島原発事故の解説動画で注目を集めた大前研一氏。本業はコンサルタントであり、専門はビジネスと経済である。本書は勿論、本業のほうの知見を踏まえたもので、世界経済のパラダイムの転換と、それに対応して日本が採るべき戦略を解説したものである。nikkei BP netの連載などで普段から主張していることをまとめたような内容であるため、人によってはそれほど目新しい主張は無いかもしれない。途中、日本の輸出できるアイテムとして、原発について述べている部分があるのは皮肉なものだ。目次は以下の通り。

はじめに
第1章 超大国「G2」の黄昏
 Ⅰ アメリカ-「唯一の大国」はいかにして崩壊したのか
 Ⅱ 中国 - バブル崩壊はいつやってくるか
第2章 お金の流れが変わった!
 Ⅰ 「ホームレス・マネー」に翻弄される世界
 Ⅱ EU - 帝国拡大から防衛へのシナリオ
 Ⅲ 新興国 - 二十一世紀の世界経済の寵児
第3章 二十一世紀の新パラダイムと日本
 Ⅰ マクロ経済政策はもう効かない
 Ⅱ 市場が日本を見限る日
第4章 新興国市場とホームレス・マネー活用戦略
 Ⅰ 新興国で成功するための発想
 Ⅱ 日本経済再成長の処方箋
おわりに

G2からBRICs、そしてVITAMINへ
 不動産の値上がりをATM代わりにして浪費を続けて来たアメリカ経済は、リーマン・ショックによって不動産バブルが崩壊し、それ以降復調の兆しがない。2010年にGDPで日本を抜いて世界2位に躍り出た中国も、その原動力は不動産という「打ち出の小槌」であり、バブルはいつ崩壊してもおかしくない状況である。
 そんな中、先進国の年金、保険などの余剰資金や中東のオイルマネーが他の投資先を探し、「ホームレスマネー」となって世界をさまよい、世界経済を翻弄している。しかし、これらの資金は短期的な投機にばかり振り向けられているのではない。自国より将来有望な新興国、とりわけ著者がVITAMIN(ヴェトナム、インドネシア、タイとトルコ、アルゼンチンと南アフリカ、メキシコ、イランとイラク、ナイジェリア)と呼ぶ国へ流れつつある。
 グローバル化と言えば、先進国の価値観が国境を越えて新興国に押しつけられるイメージもあるが、資金や起業が先進国に見切りをつけ、新興国に流出している現実もあるのだ。著者はこれを「グローバル化のアイロニー」と呼んでいる。

日本はホームレスマネーを活用せよ
 このようなお金の流れの中、日本はどうすべきか。大きく分けて2つある。新興国でのビジネスを成功させること、ホームレスマネーを日本に呼び込むことの2つである。
 新興国では官公庁へのインフラ輸出、法人への設備の輸出、そしてコンシューマの「ネクスト・マーケット」を攻めることが重要である。日本と違って発展する巨大新興国市場に注力することで、新しい成長戦略を描くことができる。
 国内では道州制を導入して地域間での競争を促し、世界企業の呼び込み合戦をするのが一番だ。投資したくなるようなエクイティストーリーを作ることで世界の資金が日本に流入する。税金をバラまく必要はないのである。具体的なプランとして「湾岸100万都市構想」「駅前商店街の株式会社化」など著者のアイデアがいくつか紹介されている。

量的緩和が効かないワケ
 個人的にいちばん「なるほど」と思ったのは、著者がよく主張している「マクロ経済政策は効かない」理由が述べられている部分だった。
 単純に言うと、経済のボーダレス化が要因である。ボーダレス経済の世界では、金利を下げ大量の資金を市場に供給しても、国内には投資されず海外に流出するため国内の景気は良くならない。逆に景気の過熱を防ごうと金利を上げると、海外の資金が流入し、かえって景気は過熱する。従来のマクロ経済政策は逆効果になる場合があるのだ。
 素人の感覚では、あまりこの点に触れている人はいないように思う。今だに金利の上げ下げばかり主張するエコノミストが多いのは大前氏が異端なのか、それとも・・・。

Amazon >>
楽天ブックス >>

Amazon.co.jpで電子書籍を買ってみた(ただし板段ボールのおまけとして)

既存のAmazonインフラで電子書籍を売る方法
 現在のAmazon.co.jpは電子書籍を扱っていない。私自身、Kindleが日本でサービスを始めれば、即購入するつもりだが、その気配はない。だが、そんなAmazon.co.jpで、電子書籍の販売に挑んだ人がいる。その珍妙なしくみは下記の通り。

  • Amazonに板段ボールを出品する
  • 板段ボールにはpdfのダウンロードアドレスが印刷されている
  • ユーザーが購入すると、板段ボールが届く
  • 印刷されているアドレスからpdfをダウンロード

 詳しくは『348人の女工さんに仕事の話を聞いてみました』公式ページを参照して頂きたいが、同人誌レベルの規模であれば、アプリを作るのは費用がかかり過ぎて難しい。ストアに出品することを考えると、Amazonが手数料の面で優位である、ということのようだ。しかし、Amazonは電子書籍のインフラがないので、上記のように涙ぐましい工夫しているのだ。この方法が主流になることは無いだろうが、面白い試みだったので、この段ボールを注文してみた。

コピー対策さえ出来れば有用
 板段ボールはメール便で到着。しっかりとした作り(笑)。
 下部にアドレスが記載されているので、ダウンロードしてiPod touchに転送してみた。
 特に問題なく読めた。ユーザー側の手間としても、紙の本を買って自炊するよりは少ないので、概ね許容範囲だろう。課題はコピーガードだが、例えばオライリーの電子書籍のように、申込者のメールアドレスを書き込んだ改変不可のpdfをユーザーごとに作成して提供するという手もあるだろう。これなら安価に抑止力が得られる。他にも手はあると思うし、この点をクリアできれば、珍妙な割に有用なしくみではないかと思う。あとは、PODサービスとの競合か・・・。

348人の女工さんに仕事の話を聞いてみました
348人の女工さんに仕事の話を聞いてみました