予備知識が博物館、美術館の楽しさを左右する
昨年、イタリア〜ドイツと旅行をした。イタリアではバチカン博物館、アカデミア美術館、ウフィッツィ美術館などに行ったのだが、十分に楽しむことができなかった。一方で、ドイツで訪れたミュンヘンのドイツ博物館は、時間が足りなくなるほどじっくり楽しむことができた。しかし、一緒に行ったツレの感想は真逆で、ドイツ博物館は面白さが分からなかった、とのことだった。
同い年の男同士だが、何故逆の感想になったのか?原因は予備知識の違いだった。私はエンジニアであることもあり、ドイツ博物館の展示物(メカや自然科学系の展示が多い)について十分に理解できる知識を持っていた反面、宗教画についてはほとんど知識がなかった。エンジニアではないツレの知識マップはその逆だったのだ。お互い、楽しめたのは十分な知識を持っている分野だけ、だったというわけだ。
イタリアに行くならあらかじめ聖書を勉強しておこう
イタリアに旅行する場合、たいていの人は美術館や博物館の類に行くだろう。何しろ数が多いし、名画も多く展示されているので、そもそも行かない方が損だ。そして、そこで目にするのは多くの宗教画である。当然、宗教的に意味がある場面を様々な描き方で表現しているわけだが、ほぼ予備知識が無い状態で行ってしまった私は、それぞれの画の意味するところが全く分からず「殺すのと、生まれるのと、服従させる画が多いな」程度の感想で終わってしまった。きっちり楽しむためには、それぞれの画の表現したいモノを理解している状態で訪れたいところだ。システィーナ礼拝堂で最後の審判を観ても「でっかい画だな。描くの大変そうだな。」しか思えないのは虚しいものだ。そのためには、まず聖書を学んでおきたいところ。
日経おとなのOFFの聖書特集でにわか知識をゲット
とはいえ、おいそれと理解できるほど聖書は薄い本ではない。正直、もう一回イタリア旅行に行くとしても、自分は勉強せずに行くだろうな、などと思っていたのだが、今月の日経おとなのOFFが「聖書入門」という特集をしているではないか。どうせなら昨年やっておいて欲しかったが、とても有用なので紹介したい。目次は下記の通り。
聖書入門 「聖書」とは何か? ・年表 聖書の時代 ・新薬と旧約はここが違う ・白取晴彦さんの「超訳 聖書の言葉」 ・聖書を理解するための基本用語辞典 名画で旅する旧約聖書 ・旧約聖書の舞台はここだ! ・創世記 ・族長たちの物語 ・出エジプト ・イスラエル王国建国 ・旧約聖書を彩る女性たち ・聖書が分かる映画 ・イエスの波瀾万丈人生 ・名画に描かれた2人のマリア ・ダ・ヴィンチ『最後の晩餐』で読み解くキリストと弟子たちの関係 ・十二使徒プロフィール ・「最後の審判」大図解 ・クラシックの名曲が描く聖書 みんな聖書から始まった! ・聖書xポップス ・聖書xベルギービール ・聖書xフリーメイソン ・聖書xエクソシスト |
最初に聖書のバックグラウンドを学んだあと、宗教画について解説がたっぷりしてあるのが分かる。例えば「受胎告知」だけでも6枚の画が紹介される豪華っぷりだ。「受胎告知」という単語は聞いたことがあっても、宗教的な意味を解説できるほど理解している人は少ないはず。値段も安く、要点を押さえた解説は、これから美術館を巡ろうという人に良いと思う。にわか知識でも、無いのとは全然違う。重ねて書くが昨年読んでおきたかった(涙)。
テルマエ・ロマエも忘れないで
さて、イタリアと言えば、宗教画だけでなくローマ帝国時代の遺跡の数々も有名だ。どうせならこちらの予備知識も仕入れてから行きたいところ。そこで、ローマ時代の風呂にスポットを当てたマンガ、テルマエ・ロマエも忘れず読んでおきたい。
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