2013/09/16

南場智子 「不格好経営 チームDeNAの挑戦」



 モバゲーやモバオクなどを運営するDeNAの創業者、南場智子さんがここまでの歩みをまとめた1冊です。

 DeNAといえば一般的なイメージはモバゲーだと思いますが、創業時のサービスはビッダーズというネットオークションでした。創生期のネットオークションは、今も業界トップのヤフオク!(当時はYahoo!Auction)が手数料無料でサービスを開始し、ユーザーが増えたところで売上の3%を出品者に課すという、いわゆるヤフー税の導入を口火に手数料値下げ合戦が勃発、ビッダーズやWANTED、楽天オークションを交えて主導権の取り合いが繰り広げられるというエキサイティングな業界でした。

 当時、私はちょうど大学生で、卒業する先輩から押し付けられたガラクタ(皿回しセットとか地蔵マスクとか)をせっせとオークションに出品しては小金を稼いでいました。そのためビッダーズにもいち早くアカウントを作っていたユーザーであり、ヤフオク!との攻防戦についてのくだりは当時が思い出されて胸が熱くなりました。

 当時は「オークション統計ページ(仮)」という個人サイトを眺めて、各サービスへの出品数などを確認し「こっちは手数料高いけど人が多いから売れやすい」「一方こっちは手数料安いけど人が少ないから高値がつきにくい」などと素人なりに戦略を考えていたのですが、なんとこの「オークション統計ページ(仮)」、南場さんはじめDeNAの創業スタッフの皆さんも参考にしていたとのこと。

 しかも参考にするだけではなく、あまりに使いやすいということでサイト運営者をスカウト、技術者として採用します。実はそれが現在のCTO、川崎修平氏で、彼は入社後モバオクの基礎とモバゲーの基礎を1人で作り上げることになるのです。さらに彼の運営していた「オークション統計ページ(仮)」も、オークファンとして2013年4月に東証マザーズに上場。ちょど学生時代に外から眺めていた業界の内側で、このようなサクセスストーリーがあったのかと思うと何やら歴史の証人になっていたようで込上げてくるものがあります。

 とはいえ、本書に登場するのはそうした明るい話ばかりではなく、まえがきに「誰か遠い他人の仕業と思いたいほど恥ずかしい失敗の経験こそ詳細に綴ることにした」とあるように、むしろ失敗談がメインです。下らないものから重大なものまで、多くの失敗が出てきます。本書を読んで最も強く思ったのが、マッキンゼーとオラクルのエリートを集めてやっていてもこれだけ失敗するのか、ということです。そういう意味では、重要なのは失敗をしないということではなく、失敗からのリカバーが上手いということなのかもしれません。

 もうひとつ印象に残ったのが、大前研一氏の存在です。南場さんはマッキンゼーのコンサルタント出身で当時の日本支社長が大前さんという間柄。大前さんは下記のように節々で登場します。

  • エンジニアの引き抜きに抗議に来たオラクルの佐野社長は、大前さんと並んで父以外で怖いと思った男性の2人目。
  • 就職先は父が決める条件で進学させてもらっていたが、勝手にマッキンゼーの内定をとってバトル覚悟で連絡すると「おぅ、あの大前研一で有名なマッキンゼーか。おめでとう。」と予想外の反応。
  • 当時のマッキンゼーにはビジネススクール不要という大前さんの考えに基づき留学制度はなかったが、コソコソ受験して行くことを伝えると大前さんの部屋でこっぴどく叱られた(が留学はできた)。
  • ビッダーズのオークションイベントとして「大前研一に電話で15分間罵倒される権利」を企画した。大前さんにお願いに行ったら「そんなくだらん仕事は早く辞めてオレの仕事を手伝え」と罵倒付きで快諾してくれた。大前さんは落札者を事務所に招いて経営アドバイスをした。
  • 東日本大震災発生時に福島原発の状況が不透明だったが、専門家のコメントを総ざらいして吟味した結果、一番信頼できる情報源は大前研一さんだと判断し、毎日5回は電話で話し、原子炉の状態や今後のリスクなどを指南してもらった。

 ざっとみると、大前さんは大変厳しく怖い方である一方、懐深く面倒見のよい人のように思えます。本書には似たような方がもう1人登場しており、それは南場さんのお父さんになります。大変に厳しかったお父さんと丁々発止のやりとりを繰り広げてきた南場さんですが、ある時から「面白い人かもしれない」という気がしてきたとのこと。お父さんとのやりとりを通じて、ある種の「転がし方」のようなものを身につけたことで、インフラとしての大前さんを上手く活用できたのではないか?そんなことを思いながら本書を読んでいました。

 南場さんの軽妙な文章は暗い失敗も面白おかしく読ませてしまう独特のものがあります。ビジネス書というよりはエッセイや読み物として、とても読みやすいオススメの1冊だと思います。

不格好経営―チームDeNAの挑戦

南場 智子 日本経済新聞出版社 2013-06-11

by ヨメレバ

2013/08/25

宇宙食のアイスクリーム(フリーズドライ)を食べてみた

 食品棚の整理をしていたら、奥から2年ほど前に買った宇宙食が出てきました。中身はフリーズドライのアイスクリームです。賞味期限は2013年の12月ということでまだセーフ。買ったことすら忘れていたわけですが、せっかく発掘されたのでさっそく食べることにしました。ちなみにこちらで取り扱いの商品で、USAでの価格は$3程度の模様。



 表のパッケージはこんな感じ。モノ自体はmade in USAで英語パッケージ。それに上から日本語のシールが貼ってあります。



 裏も同様。もともとの英語の注意書きの一部を日本語訳したものがシールとして貼ってあります。



 中身はこんな感じ。落雁をもっと脆くしたような質感です。開封した時点でアイスクリームの香りがほのかに漂ってきました。

 気になるお味は、間違いなくアイスクリームのそれでした。ただし食感は全く異なり、言うなればアイスクリーム味の麸を食べているような感覚。ただし、唾液と混ぜったところで少しだけとろけるような感じが出ます。アイスクリームとは別物ですが、これはこれで面白い食べ物だと思いました。パッケージにはそのまま食べるように書いてありますが、少量の水を吸わせるともう少しクリームっぽくなるかもしれません。

 キャンプなんかにウケ狙いで持って行くと面白いかもしれませんね。

by カエレバ

2013/08/17

iPhone対応FMトランスミッター「ALLKIT2」が3台目に突入



 クルマの中で流す音楽には、スマホやiPodの中のものを使うのが現在の主流だろうと思います。かくいう自分もiPhoneの中の音楽やPodcastを使っていますが、古い車に乗っている都合でFMトランスミッターを介して音楽をカーオーディオに飛ばしています。

 使っているFMトランスミッターはALLKIT2というもので、シガーソケットに挿して使用し、ついでにiPhoneの充電もやってくれるスグレモノです。が、しかし、先日このALLKIT2が故障、同じものを新たに買ったことで遂に3台目となりました。

 故障遍歴は下記のとおりです。

●1台目
買ったその日にDockコネクタのカバーが外れました。
これはプラモ用の瞬間接着剤で修理。



次にiPhoneを挟むホルダーを開けるためのボタンが戻らなくなりました。ホルダーが開きっぱなしになってiPhoneが固定できなくなったところで見切り。



●2台目
おそらく断線だと思いますが、充電機能が不調になりました。これでも長距離ドライブしなけりゃ大丈夫だと使い続けていましたが、そのうちに音も飛ばせなくなったので見切り。

●3台目
この間買ったところですが、これまでの2台に比べてノイズが大きいように思います。エンジン回転数を上げると「キーン」という音が鳴り響きます。とはいえ、我慢できる程度なので今のところ使い続けています。

 改めて考えてみると、同じものを3台使うというのは中々ないことです。簡単に壊れるような製品なら2度と買わなくなるし、良い製品なら壊れないので最初の1台しか買わないからです。

 ところがこれだけトラブルのあるALLKIT2なのに、自分の手元では3台目に突入してしまいました。これは結局、機能、信頼性といった質の部分とお値段の部分のバランスが、自分に対しては絶妙、ということなんだと思います。

 お値段の方は、ある程度値動きはあるのですが、だいたい1,200円前後。壊れても割と気軽に買える値段です。そして主要な機能は以下のとおり。

●シガーソケットから給電
●任意の周波数のFM波を飛ばせる
●同時にスマホに充電できる
●Dock接続
●フレキシブールアームで自由なポジションが可能
●縦置き、横置きどちらも可能
●USBポートあり(未使用)
●ライン入力可能(未使用)
●リモコン付き(未使用)

 自分が欲しかったのは上の5つの機能で、他のものでこれだけの機能を求めると倍くらいの値段になってしまいます。同価格帯以下のものだと、給電ができなかったりフレキシブルアームが無かったりと、どこかに不足が出てきます。

 そんな中でALLKIT2は多機能、低品質、低価格という絶妙な所をついているわけです。「動かないかもしれないけど安いから、動かなかったら買い直して」という姿勢はどちらかと言うと異端だろうと思いますが、これが最も正解に近いというのは皮肉なところです。

 でもまあ、使い捨てチックに使うのは地球に優しくないわけですから、少しくらい値段が上がっても良いので、信頼性を上げて欲しいなと思うところではあります。

by カエレバ

2013/07/07

栗田工業(6370)の株主優待は宅配水18リットル



 日本にいるとあまり感じませんが、世界的には水不足ということがよく言われています。そんなわけで、昔から水処理関係の銘柄やファンドにチマチマと投資してきました。その中の銘柄の1つが栗田工業です。

 実験器具を洗うための超純水生成など法人向けのイメージが強い栗田工業ですが、コンシューマ向けの宅配水事業もやっているようで、今年の株主優待ではその宅配水1セット分、18リットルを頂くことができました。宣伝を兼ねている、ということもあるでしょうね。ちなみに希望するかどうかはハガキで返信します。いきなり18リットル送ってくるわけではありません。


 株主向けの挨拶入り。


 硬度の違う2種類の水が9リットルずつで18リットルです。賞味期限が1年以上先なので、非常用の備蓄としても良いかもしれません。実際のサービスでは同じ硬度のものだけで18リットル送ってもらうことも可能な模様。ただし、最小単位は18リットル。


 中はこんな感じ。ペットボトルではなくパックが敷き詰められていて、梱包サイズを節約しています。


 それじゃ飲みづらいやん、というわけでパックをセットするためのプラスチック製の組み立て式スタンドが付属しています。


 組み立てるとこんな感じ。


 パックをセットするとこんな感じ。青い蓋の部分でパックを押さえてこぼれないようにする構造です。また、スタンドのでこぼこが滑り止めになっています。

 この宅配水は1セットで1,890円とのこと。利回りに回すと1%弱で、配当金が2%くらいですからトータルで3%。まあまあ、良いところなんじゃないでしょうか。来年もあるかどうかは不透明ですが。

興味が湧いた方は以下をチェックしてみてください。
水のクリタのうまい水

2013/06/01

THE NORTH FACE TELLUS 25を買った


 10年以上使ってきたバックパックがボロボロになってきたので、新しいものを買うことにしました。前は適当に量販店で買ったものを使っていましたが、今回はそれなりのものにしようと、モンベル、ノースフェース、マムートのショップを周ってみました。

 用途は普段のジム通いとレース(ラン)出場の時の移動用で、個人的な要求仕様は以下のとおり。

・容量は25リットルくらい
・荷物が分けられるよう2室あること
・ドリンクボトル収納のためサイドポケットがあること
・自転車移動する時に揺れないよう腰部分のハーネスがあること

という条件でモンベルのストライダーパックと迷いましたが、最終的にはノースフェース、テルスの25リットルを買いました。


背中側から見るとこんな感じ。


おなか側から見るとこんな感じ。

 1つ上のサイズは32リットルで1泊くらいの登山用になり、自分の用途にはちょっと大きい印象。普段使いを考えるとやはり25リットルくらいがちょうどいいと思います。

 テルスになった決め手は、腰ハーネスが収納できるところ。自転車に乗る時に腰ハーネスは欲しいところですが、クルマで移動する場合は肩にかける程度になるため邪魔になります。ダラリと下に垂れ下がるのも見た目的にあまり好きではありません。ところがこのテルスはバックパネルと荷室の間に隙間があって、ハーネスを収納できるようになっているのです。これは他にはないしスッキリできて良い、ということでテルスにしました。
 ちなみに、ストライダーパックはハーネスを外せるので、似たような機能があるといえばあるのですが、外したまま、付けたままになりそうなので止めました。


収納するための隙間。


レインカバーがデフォルトで付属するのも嬉しい所。
(2014.11.24 レインカバーについての追加記事を書きました。)

他にも良い点(これは他のモデルにもある)を書くと下記のようになります。

・ハーネスの調整が引っ張るだけでできて楽
・腰ハーネスにポケットが付いていて、携帯などをいれることができる
・腰ハーネスが太くて疲れにくい
・主室内のバックパネル側にポケットがあり、書類などを入れるのに便利
・胸ハーネスのポジションを上下に調整可能


そんなわけで、オーソドックスな良いバックパックだと思います。