2021/04/25

「北陸の鉄道」(国鉄・JR編、私鉄・路面電車編)は非常にエモい2冊



思いがけずエモい本に遭遇しました。その名も「北陸の鉄道」。「国鉄・JR編」と「私鉄・路面電車編」の2冊があり、貴重な写真満載で廃線を含む北陸の鉄道を紹介する内容です。どちらも著者:牧野和人、出版社:アルファベータブックス。

事の発端は数週間前に遡ります。勤務先ランニングクラブの練習会で石川県能美市の桜ロード(健康ロード)を走りました。2,000本の桜が植えられている素晴らしい景観の遊歩道でしたが、妙に人工的な直線が気になって理由を他の参加者に訊いたところ鉄道の跡とのこと。

田んぼの間に人工的な桜並木道。

帰宅後詳しく調べてみると、北陸鉄道能美線の跡(1980年廃止)であることが分かりました。JR北陸本線と接続する寺井を起点に、温泉のある辰口を通って手取川沿いに遡り、最後は手取川を鉄橋で越えて鶴来駅で北陸鉄道石川線に接続するというルート。手取川橋梁の能美市側は天狗壁と言われる岩壁で、これにトンネルを空け、岩壁から鉄橋が飛び出してくるような景観だった模様。以下に詳しいです。


この話を寺井出身の同僚(鉄)にしたところ紹介されたのが、この「北陸の鉄道」。金沢市立図書館に蔵書を発見し借りてみたところ、期待を上回るエモさで食い入るように読みふけってしまいました。

掲載されているのは、各路線の沿革、路線距離や始点、終点といった各種データの紹介もそこそこに貴重な写真のオンパレード。それも、列車や線路のみならず時刻表や沿線の錦絵など、この本でないと見れないようなものが惜しみなく続きます。

件の北陸鉄道能美線についてはこんな感じ。

「私鉄・路面電車編」70-71p 北陸鉄道能美線
下は路線を示す錦絵。

能美線の先にあり、金沢と名古屋(!)を結ぼうとしてかなり手前で力尽きた金名線のページもあり。

「私鉄・路面電車編」68-69p 北陸鉄道金名線

もちろん「普通」の鉄道写真もあります。

「私鉄・路面電車編」 40-41p 福井鉄道南越線

「国鉄・JR編」44-45p 北陸本線

錦絵は能美線のみならず各所のものがあり、中でも金沢市内は市電路線豊富でカッコいいです。

「私鉄・路面電車編」58-59p 金沢名所案内図(昭和戦前期)

変わったところでは三八豪雪時の金沢駅の空撮写真なんてのもあります。

「国鉄・JR編」34-35p 1963年1月27日撮影
今は開発されている駅西ですが昔は転車台があったんですね。

他にも様々な写真がありいずれも素晴らしいので、ぜひご自身の目で確かめて頂ければと思います。北陸の郷土資料として多くの人に読まれていって欲しいものです。しかし、自分の調べた金沢市、野々市市、白山市の図書館にはすべて蔵書されているあたり、皆さん分かってますね(笑)。

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