2012/08/12

Garmin Forerunner 410を買ってしばらく使った感想


小松空港ラン&ウォークのために
 もともとランニングをする際にはiPhoneのRunkeeperを使っていたのだけれど、知り合いに誘われて出場することになった小松空港ラン&ウォークは滑走路を走るため、保安上の理由で時計以外の機器は持ち込み禁止。せっかく走ってもこれではGPSデータを記録できない。ちょうどレースの時にはアームバンド+iPhoneは邪魔だと思い始めていたこともあり、思い切ってGPS機能を持った時計を買うことにした。
 候補に上がったのはGarmin 410。英語版にするか日本語版にするか悩んだものの、1万円の価格差に負けて英語版を購入。なお、英語版は「Forerunnner 410」、日本語版は ForeAthlete 410」と、名前が異なる。似たような名前のものが2つあってどう違うのか迷ったが、違いは言語のみの模様。

英語について
 結論から言うと、インターフェースにおける英語の難度はそれほど高くない。ほとんどが単語の羅列であるため、難しい構文を理解する必要はなく、分からない単語があっても辞書を引いて単語の意味さえわかれば問題ない。ただ、マニュアルだけは英語の文章が出てくるので、英語の苦手な人は所望の機能のための操作手順を探すのに苦労することがあるかもしれない。とはいえ、ネット上には日本語版の操作方法があふれている。それを参照しつつ、単語の意味だけ辞書で調べればマニュアルを読まなくてもなんとかなるのではないかと思う。私の場合、一度セッティングした後は使い方が画一的なので、言語面については特に問題にならなかった。

英語といっても単語ばかりなので簡単
タッチベゼルについて
 操作は、2つのボタンとタッチセンサーが内蔵されているベゼル部分で行う。目指しているところは悪くないと思うが、いかんせんタッチ認識の精度が悪く、慣れないうちは非常に使いづらかった。それなりに慣れた今でも使いやすいとはいいづらく、ギリギリ受け入れられる、くらいの操作感。もっとも、計測をスタートした後はほとんど触らないので実害はほとんどない。

計測表示とGPSについて
 計測中の表示は3項目。表示項目はカスタマイズ可能で、平均ペースやスピード、累計タイムにラップタイム、走行距離などなど多くの項目を設定できる。さらにこれを3セットまで保存しておき、ワンタッチで切り替えることが可能。必要十分な情報量と言える。起動時の測位にやや時間がかかるものの、GPSの精度はiPhoneのものより若干良いように思う。

こんな感じで3項目

Runkeeperとの連携について
 Garminで計測した記録は、Runkeeperにインポート可能。PC/MacのUSBポートにANT+のアンテナ(付属)をつけておけば、ブラウザからの操作で自動的にGarminから記録を吸い出してRunkeeperのサーバーにアップロードしてくれる。マップ上でGPSデータ見られるのは非常に良いです。Runkeeperを使わない人でも、付属のGarmin Training CenterというアプリやGarmin ConnectというWebサービスで記録を管理できる。

Webから簡単にインポート可能


小松空港ラン&ウォークのGPSデータはこんな感じ

問題点
 というわけで便利なGarmin Forerunner 410だが、1つ問題点がある。Runkeeperのサーバーにアップロードしたデータを、iPhoneアプリで見ると正しく表示されないのだ。サマリーは正しいものの、どうもGPSデータが1kmおきにしかダウンロードされていないらしく、マップもペースも全然違うものになってしまう。Web上では正しいデータが表示されるので、Garminではなく、RunkeeperのiPhoneアプリにデータを転送する部分に問題があると思われる。サーバー側かアプリ側か分からないが、速やかなアップデートに期待したい。

GPSデータ異常の図

 上記問題以外は特に不満なく、快適に使っています。

2012.11.21 追記

 上記問題は、現在のiPhoneアプリでは修正されています。Garminから登録したデータをiPhoneから参照しても問題なく表示されます。

by カエレバ

by カエレバ


2012/07/15

ちきりん 「社会派ちきりんの 世界を歩いて考えよう!」



 人気ブロガーちきりんさんによる旅行エッセイ、トリビア集。学生時代から20年以上に渡って50カ国以上を旅してきた経験をもとに、美術館や古代遺跡、はたまた現地の労働者といった様々な視点から、外国の模様を紹介しつつ旅先で快適に過ごすためのちょっとしたトリビアも付け加えてくれる気の利いた一冊…と言いたい所だが、さにあらず。これは海外旅行をネタ元に、「自分のアタマで考え」た実例集ではないかと思っていたら、ソデに「自分のアタマで考えるってどういうことか、この本を読めば分かります。」と書いてあったので、あながち間違いでもないだろう。


 海外旅行の効能は色々あると思うが、そのひとつに自分の立ち位置を知ることができる、ということがあると思う。自国とは異なる文化圏の人や物を見て、何が違って何が同じなのかを認識できれば、相対的な位置関係が構築できるからだ。本書はまさにその位置関係の構築を、ちきりんさんがどのようにやったかという実例集だと言える。何を観て、どんな経験をして、どう考えたか、その実例集だ。

フィリピンのリゾートで紅茶を注文すると、リプトンのティーバッグが出てくるのはなぜ?
シンガポールエアラインが世界一の航空会社なのはなぜ?
ソビエト崩壊後のモスクワはどう変わった?

 自分がちきりんさんと同じ体験をしたとして、自分ならどう考えるか?そんな風にある種のケーススタディとして、自分のアタマで考えながら読めば、より楽しめる一冊だと思います。




2012/06/10

野嶋剛 「銀輪の巨人」



 TREKというアメリカのブランドのクロスバイクに乗っている。これを買う際にどちらにしようか迷ったのは、台湾のブランド、GIANTのクロスバイクだった。結局、自分の場合は変速方法が好みだったTREKを買うことにしたが、GIANTはどの自転車専門店にも置いてあるほどポピュラーで、十分な品質と手頃な価格を持ち、本書によるとフレームベースのシェアでは世界No.1の自転車ブランドとのこと。本書は、そんなGIANTの創業からこれまでの軌跡をたどった1冊であるが、同時に、台湾勢に追いぬかれ世界一の座から転げ落ちていった日本の自転車産業も描くものでもある。

 本書によると自転車は、比較的早い段階で「日本製造業のグローバルマーケットにおける失敗」が現れた産業で、それも急速に進行したとのことである。結果として、素材や部品(シマノなど)は強いものの、完成車はダメという図式ができあがった。現在、電機業界が直面しているのと同じ状態が、一足早く訪れていたのだ。では、日本勢凋落の分水嶺はどこだったのだろうか?はっきりとは分からないが、産業自体が成熟し「国際的に規格化された量産品を組み立てる」産業になった段階で、次の付加価値、より高次の付加価値を作れたかという点にあるように思う。GIANTの場合は、自転車文化を醸成しミドルマーケットを自ら創造することで販売単価を上げることに成功した。すなわち、自転車を売るのではなく、自転車を使うライフスタイルを売ったのだ。電機で言えば、Appleがユーザーエクスペリエンスを売るというコンセプトで成功した例がこれに符合する。

 これらを踏まえれば自転車にしろ電機にしろ、日本勢凋落の原因は「もの」にこだわり過ぎたことにあるように感じる。実際、ユーザーが買っているのは「もの」であるように見えるが、本質的には「もの」を手に入れることで得られる「幸せ」なのだ。そうした高次の価値の創造ができず、自転車は凋落していった。そして、自転車の教訓を活かすことなく、電機も凋落しようとしている。ある意味では、自転車産業は電機の将来像なのかもしれない。今、日本の自転車産業の平均輸出単価は10,000円程度。台湾のそれは380米ドルである。願わくは、電機業界は違う未来を歩まんことを。

野嶋 剛 東洋経済新報社 2012-06-01
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2012/03/17

すしべん 〜ガソリンスタンド居抜きの衝撃〜

石川県を地盤にした飲食業者に、「すしべん」というものがある。詳しくはこちらを参照していただければと思うが、寿司を中心とした弁当屋とレストランがくっついたような独特の店舗であり、店内で寿司を握っていて意外に美味しいこともあってか、外回りのサラリーマンなどで繁盛している。

 さて話は変わって、外食産業でよく見かける出店方法に居抜きというものがある。詳しくはWikipediaを参照していただくとして、要は他の業者が撤退した店舗をそのまま使う形で出店することである。焼肉屋が撤退した店舗であれば、焼肉用の設備は残っているわけで、巧く活用できれば低コストで焼肉屋を出店できるというわけである。

 そんなわけで、普通の居抜きであれば、同業であったり類似業態の店舗に出店することが多いと思われるが、近所にすごい居抜き出店の「すしべん」があったので思わずエントリを書いてしまった。初めて見た時はまさに衝撃。それが下の店舗。


 なんと、ガソリンスタンドの居抜き!どうかしたら屋根の色はENEOSの色のままなんじゃないかと思うほどのやっつけっぷり。

すしべんは・・・ガソリンスタンドの居抜きで弁当屋を出してしまうという・・・異端の経営感性を武器とする企業・・・!

この発想はなかったわ、と。
伊達に石川県内だけで30店も出してないな、と。

2012/02/01

落合博満 「采配」



 ご存知落合博満前中日ドラゴンズ監督による、自らの監督哲学をまとめた一冊。ダイヤモンド社からの出版ということもあってか、野球に特化した内容ではなく組織論としてビジネスにも活かせるようになっており、頻繁にビジネスに照らし合わせた例えも登場する。

 非常に印象に残ったのは情報管理の緻密さだ。対戦相手より優位に立つためにも、ドラゴンズの選手を思い通りに育てるためにも、大きな武器となるのが情報管理である。他の監督なら情報と思わないような細かなものも、気を使うべき情報として扱い、出し方、隠し方の細部にまでこだわっている。
 例えば「部下に腹の中を読まれるな」という項がある。監督は「勝つ」ことを唯一の目的に、そのための手段として様々な目論みを持っている。これらの目論みはあくまで「勝つ」ための手段であるが、部下に読まれた場合には、それにおもねる人間を作ることになる。つまりは手段の目的化が発生してしまうのだ。これはチームにとって大きなマイナスである。それゆえ、例え身内であってもインプットする情報には細心の注意を払い、腹の中を読まれないことが重要と説いている。

 他にも落合氏らしい確固たる哲学が多く記載されている。1つ1つは目新しい考え方ではないが、自分なりに再構成しひとつの哲学として信念を持って貫いた姿勢こそが、落合氏の真骨頂なのだと思う。いわく「すべては堂々たる模倣である」。彼は何をどう模倣し、どのように実践に活かしたのか? 実際のペナントレースの場面が多く例示されており理解の進みやすい一冊である。


落合博満 ダイヤモンド社 2011-11-17
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