著者はスパルタスロン4位などの実績を持つウルトラマラソンランナー。トレーニング方法などがメインの一般的なマラソン本に対し、本書はレース前日や当日の過ごし方にフォーカスした珍しい1冊。「非常識」と銘打たれてはいるものの、読んでみるとそんなことはなかった。定説と異なるような見出しになっている部分もキチンとした根拠をもって紹介されている。例えば「ウォーミングアップはしない」という項では、十分な筋力を持たないアマチュアランナーがフルマラソンを走る場合、脚を如何に温存するかがタイムに大きく影響するため、脚の消耗に繋がるウォーミングアップは避けたほうが良い、という具合である。
また、紹介されるノウハウがやたらと具体的なところも特徴だろう。前日の食事はこれ、当日の食事はこれ、何km地点でどのサプリを摂取するなどなど。さらに、ホノルルマラソンと東京マラソンについては現地入りするところから徹底的にルーティーンが紹介されている。JALのツアーで行った場合こういうものが提供されるのでこうしよう、といった具合。東京マラソンではお台場からのスムーズな脱出方法まで紹介されている。まさに実践に基づいたノウハウであり、ここまでやるかと感心する。
一般論としてのレース前、レース中の過ごし方紹介があり、ホノルルマラソン、東京マラソンのノウハウ紹介はケーススタディだとも言える。これらを応用して自分の出場するレースに向けてルーティーンを応用することも可能だろう。自分なりのトレーニング方法も固まってきてその他の部分にも目を向け始めた、そんな方に調度良い1冊ではないだろうか。
非常識マラソンマネジメント レース直前24時間で30分速くなる! | ||||
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